対テロ戦争か 2013 1 18
2013年1月18日の時事通信社には、このようなニュースがあります。
「イスラム過激派に強硬対応、人命よりテロ対策 アルジェリア」
【カイロ時事】北アフリカ・アルジェリアの天然ガス関連施設で起きた外国人拘束事件で、
アルジェリア政府は、国際テロ組織アルカイダ系の犯行組織とは交渉しないとの態度を崩さず、
人質の犠牲も覚悟した突入作戦を断行した。
アルジェリアの歴史は、イスラム過激派との対決の歴史でもあり、
テロ専門家にとっては「予想された展開だった」と驚きは少ない。
アルジェリア情勢に詳しい専門家は、
「アルジェリア政府はテロリストと交渉しないことで知られる。
こうした事件の際には人命尊重などは考えない」と解説する。
テロ専門家は、多数の外国人が天然ガス関連施設で人質になったと聞いた時点で、
軍の突入など最悪の事態を予想したという。
(以上、引用)
これは、アルジェリア政府にとっては、
「対テロ戦争」だったのか。
産経ニュース電子版の写真ニュースで、
「天然ガス施設の鎮圧作戦に出動したアルジェリア軍を映したテレビ映像」には、
多数の戦車の姿があります。
今後、このような悲劇が増えてくるかもしれません。
「世界の警察官」だったアメリカは、今や「内向き」で、
内政に忙しく、当分、アメリカ外交は「事なかれ主義」が続くでしょう。
それが、世界各地の紛争を引き起こす原因にもなるでしょう。
世界は、「紛争とテロの時代」へ突入するかもしれません。
アメリカの弱気 2012 12 16
12月12日、北朝鮮による長距離ミサイル技術を使った、
人工衛星の打ち上げ成功と、
12月13日、中国当局の飛行機が、
初めて尖閣諸島沖の領空を侵犯したことをどう見るか。
この二つの出来事は、どう関連しているのか。
これについて、田中 宇(たなか さかい)氏は、
メールマガジンで、このように分析しています。
「北朝鮮のロケット発射に対する米国の反応が弱く、
日本は、安全保障の唯一の後ろ盾である米国に頼れない感じが強まっている。
その状況を見越したかのように、
北朝鮮のロケット発射の翌日の12月13日、
中国当局のプロペラ機が初めて尖閣諸島の領空内に侵入した」
「北朝鮮のロケット発射に対する米国の反応が弱く、
米国が、アジアでの中国の台頭に対して、
口だけしか動かせない今の状況の中、
中国が、尖閣を日本から奪うという象徴的な挙に出ようとしていても不思議でない」
(以上、引用)
確かに、全盛期のアメリカからすると考えられないほど、
今のアメリカは、弱気です。
これは、中国だけでなく、
東南アジア諸国やオーストラリアまで、同じように感じています。
何も感じていないのは、日本の政治家と日本人だけでしょう。
いまだに日本人の頭の中は、安全保障については、終戦直後のままです。
平和ボケも、ここまで行くと、
慢性病というか、持病に近いものがあります。
確かに、日本は、島国なので、
外国から攻められないという安心感があります。
しかし、たとえ国土を守れたとしても、
資源がない日本が、シーレーン(海上交通路)を守れなかったら、
それで終わりです。
今まで、日本のシーレーンは、
アメリカが、「無料で」「ついでに」守ってきました。
しかし、今のアメリカは、財政的に、そういう余裕はないでしょう。
さらに、アメリカは、国内問題に夢中で、外国には関心が低いでしょう。
東南アジア諸国としては、それならば、
今度は、日本が航行の自由を守ってほしいと思っているでしょうが、
日本の政治家と国民の頭の中は、安全保障については、終戦直後のままです。
これが、「東アジアの不幸」となるでしょう。